とうとうその日がやってきた
2019年2月某日、朝8時から着々と準備が進んでいきます。
右手の甲と左胸の乳輪に痛み止めシールを貼ったり、
センチネルリンパ節生検のための画像撮影前に、リンパ節の場所を写しだす薬を乳輪に打ったり、
右手の甲から点滴をしたり(手術当日は丸1日絶食で、手術が終わっても2時間は水分も摂れないため)
あっという間に時間が過ぎていきました。
12時45分、点滴をぶら下げながら手術室に移動。
看護師さんは何度も「緊張してますか?大丈夫ですよ」と声をかけてくれたけど、今日ばかりは緊張せずにはいられない。
手術室のドアは宇宙船みたいなメタリックの大きな自動ドアになっていて、中に入ると執刀医の先生の趣味なのかオサレなジャズが流れていました。
手術台に横になるとじんわり暖かくて思いのほか快適だったので、さっきまでの緊張が一気に和らぎました。
看護師さんが手早く血圧計や心電図などいろんな機器を体に取りつけ、酸素マスクを顔に被せたところで麻酔科の先生が入ってきました。
麻酔科医:血圧は?
看護師:89、60です。
麻酔科医:低いね!
看護師:これから麻酔のお薬をいれていきますね
こんな会話が聞こえてきて10秒も経たないうちに、周りの音がだんだん遠くなってきて瞼を閉じました。
ドラマと違う目覚め
麻酔から覚める時って、ゆっくり目を開いてぼんやり見えていた景色がだんだん鮮明になっていく。。。そんなイメージを持っていました。映画やテレビドラマでよく見かけるシーンです。
でも現実は全く違いました。
突然バッッッ!!っと目覚めたのです。
「わかりますかー?」
「お口の中を洗浄しますので、少し開けてくださーい」
看護師さんの声かけに応えるように頷くと
「管を抜きますので力を抜いてゆっくり息を吐いてください」
え?! まだ管入ってんの? と思った瞬間、喉にいろんな管が入っていて息ができないことに気づきました。
しゃべれないので看護師さんに
「は、早く管を取って…息ができない…」と目で訴えました。
すぐに管は抜かれて普通に呼吸ができるようになったのですが、ドラマなどでよく見かける病室でゆっくり目覚めるシーンとはあまりにもかけ離れていたので、少しびっくりしました。
最後に胸帯で圧迫し着衣を整えてもらったところで、手術台がベルトコンベアーのように横に動きだし、私の体はいとも簡単にベッドに乗せ換えられ病室まで運ばれました。
術後2時間経過したら…
このK病院では「安全・安楽に早期離床ができること」を目標に掲げているので、術後2時間経過すると「トイレまで歩く練習しましょ〜う!」と、看護師さんがやってきます。
え!今から?!もう17時過ぎてるけど… と思いましたが、、、
ベッドは電動リクライニング式なので誰の手も借りずに起き上がれるし、吐き気もフラつきも全くなかったのでトイレまでサクサク歩いて練習は2分ほどで終了しました(笑)
そういえば入院前に読んだ本やブログには、術後しばらくは尿道カテーテルやドレーンが挿入されていると書かれていたのですが、私の場合は術後すぐに尿道カテーテルやドレーンは抜かれていたので、自由に寝返りができて助かりました。
手術の翌日からシャワーOK
この話をすると家族も友人もみんな驚きます。
「でも、手術したところにはお湯がかからないようにしないといけないんでしょう?」と言う人も多いですが、これも全然OKなのです。
縫合部は左乳房を横断して脇の下まで20cmほどあり、その上をなぞるように透明のジェルのようなものが塗られていて、これが防水の役割をしているようでした。このジェルのようなものはゴシゴシこすったりしない限り簡単にはとれないので、毎日安心してシャワーを浴びることができる優れものなのです。